漫才を軸に、大道芸を武器に
玉代勢直さんと剛くんはお笑い芸人になる夢をかなえるため、高校卒業後にそれぞれ上京。東京で出会いコンビ名を「オリオンリーグ」と名付けて活動を続けてきた。沖縄をネタにした漫才を舞台で披露し、イベント出演時には大道芸で会場を沸かせるなど独自のスタイルを貫いている。共有してきた「いつか沖縄に帰ろう」という思いを2年前に実行。これまでのキャリアを生かしつつ、新たな目標に向かって取り組んでいる。12月には単独ライブの開催を予定している2人に、意気込みなどを聞いた。
表紙のカラフルなアーチと「週刊レキオ」というロゴを、バルーンアートで表現してくれた剛くん。
「僕らオリオンリーグのイメージカラーが紫。アーチを作る時は紫のバルーンを必ず入れ、それに合うきれいな色は何だろうと、その場で選んでつなげます」と語る剛くんは、製作中に一番気を付けているのは大きさのバランス、バルーンは東京の専門店で購入するなどのこだわりも教えてくれた。バルーンアートを始めたのは、相方・玉代勢さんの勧めがきっかけだそうだ。
「8年ほど前に漫才の他にもお客さまにアピールできる芸がある方がいいと話し、勧められました。東京にはバルーン芸人がいっぱいいてグループがありますがそこには入らず、独学で始めました」
表紙のアーチの左右には花形のバルーンが添えられているが、作ったのは実は玉代勢さん。剛くんより先にバルーン作りに挑戦したとのこと。
「向いていないと思い、相方に勧めました(笑)。僕は先輩芸人のハイキングウォーキングさんに声をかけていただいてジャグリングを始め、大道芸ライブに出演していました。そしてオリオンリーグのネタの中に、相方のバルーン作りを組み込んだものもあります。僕は三線を弾きます」と玉代勢さん。
剛くんは「バルーンを作った後に欲しい人と呼びかけた時、子どもたちが盛り上がってくれると一体感が生まれて本当にうれしいです。客席がおじさんばかりだと全く手が上がりませんけどね」と笑った。
目指すは県内賞レースで優勝
東京から戻ってきて2年。日々の暮らしの中で、沖縄の風土をじわじわと実感していると2人は話す。
「以前は東京の人を楽しませる沖縄の話題を漫才にしていました。帰沖後は地元に根付いたネタをやりたいと思い始め、少しずつピントが合ってきたと感じています」(玉代勢さん)
「県内2つの賞レースで決勝戦に進出できホッとしました。普段あまりやらないコントでの審査、沖縄の人にはまだ知られていないなどの不安があり、ネタに自信が持てても、どう評価してもらえるか怖かったです」(剛くん)
直近では年内に予選があり、お正月に決勝戦が行われる「O-1グランプリ2023」での優勝を目標にしているという。
12月に単独ライブを開催
オリオンリーグの今年一番のイベントは、12月4日(日)開催の単独ライブといえるだろう。会場となる那覇市ぶんかテンブス館は復帰前「アーニーパイル国際劇場」という映画館で、当時は娯楽の発信地。その人気にあやかって、ライブ名を「アーニーパイルDEコメディショー」に決めたとのこと。とにかくたくさんネタを作りいろんな場所で披露したい2人は、このライブをスタート地点にするという。
「僕らのお笑いを1人でも多くの方に見ていただきたいです。生で見ると迫力がありますよ」と剛くんが語ると、「緊張している剛くんの手の震えはテレビでは伝わりません。生じゃないと分からないことがあるんです」と笑う玉代勢さん。このライブを大入り満員で成功させた後は、バーベキューを楽しんで野外ライブを行うなどのバスツアー、県内全市町村を回る公民館ツアーなど開催できればと計画を練っている。
「バルーン、ジャグリング、一輪車。大道芸も見ていただきたいので力を入れます」(玉代勢さん)
「ウィズコロナを意識するようになり、ライブやイベントが少しずつ増えてきたと思えます。積極的に活動して、みなさんを笑顔にします」(剛くん)
応援したいと思った方は、まずは2人に会いにライブに出掛けてほしい。
(饒波貴子)
剛くんのバルーン教室
「剣を作ろう」
※バルーンと空気入れは100円ショップで購入できます。気軽にバルーンアートを楽しんでください。
※よしもとチケットサイト「FANY Ticket」(https://yoshimoto.funity.jp)にて発売中。
問い合わせ:よしもとエンタテインメント沖縄 TEL 098-861-5141
(2022年10月27日付 週刊レキオ掲載)