芸も見た目も日本の伝統を感じる和風スタイルで、人気がどんどん上昇中のお笑いコンビ「すゑひろがりず」。扇子と小鼓を手に持ち古風な言葉で漫才を披露するなど、狂言を取り入れた独特なパフォーマンスで個性を放っています。多忙なスケジュールに追われる中、沖縄に来て「よしもと沖縄花月」の公演に出演。出番や配信番組収録などの忙しい合間に、時間を作っていただきインタビューしてきました。後輩の沖縄芸人との交流もあるようで、次の来沖が待ち遠しいです!
※取材日:2021年2月25日
写真撮影時のみマスクを外していただきました。
聞き手:饒波貴子(フリーライター)
異国を感じ、さわやかな気候の沖縄が好き!
ー沖縄の好きなところといえば!? お一人ずつ教えてください。
三島:景色が好きです。異国に来たような気分になるんです。日常とはかけ離れていると感じる景色が好きなので、沖縄の景色はその中の一つだと思っているんですよ。観光したことはあまりないのですが、移動中の車でも景色を見て楽しんでいます。時間があればゆっくり海辺を歩きたい。海を見ながらお酒を飲むと気持ち良さそうですね〜。高校の修学旅行先も沖縄でしたが、スケジュールが詰まっていて楽しめなかった記憶です。去年仕事で久しぶりに来て、異空間にいる感じがして沖縄は好きなところだと思えました。
南條:冬や春、この時期の沖縄は最高ですね! 僕暑いのが苦手なんです。長袖シャツ1枚で過ごせる感じがいいですよね。外歩いてもさわやかな感じが、むちゃくちゃちょうど良くて僕のベストです。苦手な夏でも東京や大阪のムッとした嫌な感じの暑さと違い、沖縄は海風が吹いてカラッとしていそうだから大丈夫かも!? でも、やっぱり冬や春の沖縄が好きです。今日はとても寒い東京から来ましたが、沖縄に着いて暖かさを感じ「沖縄に来たぞ〜!」と実感しました。
―沖縄の食べ物はおいしいと思いますか?
三島:好きな食べ物いっぱいあります。今日はお昼にソーキそばを食べたんですけど、おいしかった!
南條:ジューシー、うまいですよね〜。コンビニとかで売っているジューシーおにぎりのクオリティーもめちゃくちゃ高い! コンビニに行くと、沖縄っぽいごはんをやっぱり探しますよね。ポーク玉子おにぎりも食べます。
三島:スパムもおいしい!
南條:タコスもおいしいですね。この前かまいたちの濱家さんと沖縄のイベントで一緒になった時、差し入れとしてタコスを取り寄せていたんですよ。休憩時間にいただいたらめちゃくちゃおいしかったです!
三島:そうですよね、沖縄はタコスもおいしい。去年来た時はおみやげをいろいろ買って帰りましたが、アーサ(あおさ)を味噌汁に入れたらおいしかったな〜。すぐ全部なくなりました。今回も時間があれば買って帰りたいです。ゴーヤーはちょっと苦手かなと思いつつも食べますし、海ぶどうも好き。沖縄の食事をもっと味わいたいですが、遠くに行く時間がなくて沖縄花月の近くですませている感じです(笑)。
南條:今日の公演が終わった後、ゆっくり行けるといいな〜って思っています(笑)。
うれしいのは後輩たちのおもてなし
ー沖縄芸人さんとの交流が増えてきたと思いますが、ツーマンライブなどで共演した「ありんくりん」さんの印象は?
三島:何か同胞の感じがしますね〜。特に、ひがりゅうたくん(笑)。何となく同じ境遇かな・・・見た目がおっさんじゃないですか。僕20代の時あんな感じで「おっさん! おっさん!」と言われていたので、親近感がわきます。かわいいなって思うんです。別にしゃべることとかなく勝手に思っているだけなんですけどね(笑)。
南條:ありんくりんはじめ、みんな陽気で大らか。先輩とか後輩とかの線があまりないんかな〜って思います。東京だったらリハーサル中などは、もっとカチッとしていて緊張感があると思えるんですよね。東京や大阪に比べると、沖縄は温かい空気が流れているなと感じます。みんなとフレンドリーに話していますよ。
三島:情報などいろいろ教えてくれるので、うれしいです。「これ食べてください」とおいしい物を勧めてくれたり、おもてなし精神がすごいですね。
南條:そういえばコンビの1人はふくよかな体をしている。丸っこいやつ多いな〜って感じました(笑)。
ー沖縄出身のコンビ「オリオンリーグ」さんは去年まで東京で活動していましたが、しのぎを削っていたそうですね。
南條:そうや! ライブでめちゃくちゃ一緒でした。2人に会いたいな〜。沖縄色がすごく強いコンビで、異彩を放っていましたよ。
三島:僕らが上京したての時、バトルライブのような同じ公演に良く出ていました。沖縄の公演でまた会えるといいですね。
ーこれからどんどん来て、沖縄の後輩たちと交流していただきたいです! 名所を案内してもらうのも良いかと思いますが、沖縄で行ってみたい場所はありますか?
南條:自然が多い北部、行ってみたいです。
ー私たちは北部を「やんばる」と呼んでいて海も自然もきれい。美ら海水族館を目指しながら、いろいろ楽しめると思います。那覇とは全然違います。
三島:いいですね〜。来たのがまだ3回目くらいで、本当に全然知らない(笑)。いろいろ行きたいです。
家元になり「すゑひろがりず流」設立!?
ーバラエティーやネタ番組で大活躍中ですが、「M-1グランプリ2019」の決勝進出がきっかけですか?
南條:はい、M-1からです。
三島:それ以前は何もなかった。
南條:人生変わりますね。
三島:本当に変わったんですよ。
ー「すゑひろがりずのゲーム解説が大好き」という知り合いもいます。
三島:うわ〜うれしいです! ありがとうございます。
南條:ありがとうございます。YouTubeチャンネルは、M-1と同じくらい世に出るきっかけにはなったと言えるかもしれません。すごく注目していただきました。
YouTubeチャンネル:すゑひろがりず局番【公式】
https://www.youtube.com/c/SUWE-TV/featured
ー以前のコンビ名が「みなみのしま」だったそうですが、なんだか沖縄っぽい名前!?
南條:沖縄っぽいですよね〜。ピン芸人の先輩、三浦マイルドさんにお世話になっていまして僕らの苗字、南條の南と三島の島を取って「みなみのしま」にしたらどうか、と名付けてもらったんです。
三島:沖縄とは無関係で、そのころは縁もゆかりもなかったのですね。
南條:「みなみのしま」という名前を捨ててから、沖縄と縁ができました(笑)。
ー日本の伝統芸能を取り入れた漫才で大人気。狂言など、以前から興味がありましたか?
南條:特別な意識はなく、みなさんと一緒の感じと言っていいかもしれません。
三島:うっすら知ってるな〜、そういった分野があるな〜というのが正直なところでした。
南條:だんだん好きになってくるものですね。面白い、という気持ちで今はやっています。
ーインタビュー中は普通にしゃべるんですね(笑)。最後にこれからの目標をお願いします。
南條:良く言われますけど、しゃべるのはこんな感じです(笑)。
三島:普通に会話していますよ。和の言葉は「ここぞ」という時に、勢い付けて使います。このスタイルを細く長く続けていきたいので、もっと芸を磨きます。とはいえ、本格的に学んできた訳ではないので本物ではなくニセモノとしてですね(笑)。
南條:自分らの流派を新しく作りたいですね。「すゑひろがりず流」の家元になり弟子も取りましょうか。その時はありんくりんのりゅうたやクリス他沖縄の後輩芸人を弟子にして、普及活動をしながら広めていけたらいいですね。
「ハイサイ気分」
ようこそ沖縄へ! 本土から来沖する有名人を歓迎する、連載インタビュー。近況や楽しいエピソード、沖縄への思いなどを語っていただきます。
【すゑひろがりず プロフィール】
☆南條 庄助(なんじょう・しょうすけ)/左
性別:男性
生年月日:1982年6月3日
身長/体重:168cm/75kg
血液型:A型
出身地:大阪府堺市
趣味:歴史探訪(寺・神社めぐり)、草野球(外野)
特技:小鼓、ヌンチャク、インドネシア語
出身:NSC大阪校28期生
Twitter @GSOPnanjo
☆三島 達矢(みしま・たつや)/右
性別:男性
生年月日:1982年10月2日
身長/体重:169cm/70kg
血液型:O型
出身地:大阪府大阪市
趣味:浮世絵鑑賞(歌川国芳ファン2年)/和歌詠み
特技:三味線(津軽)
出身:NSC大阪校28期生
Twitter @SUEmishima
◆インフォメーション◆
【よしもと沖縄花月】
「すゑひろがりず」ほか東京や大阪で活躍する芸人、そして沖縄所属の芸人も舞台に立つ『よしもと沖縄花月』! 公演開催や有料配信の詳しいスケジュールは、HPをご確認ください。
【HP】http://www.yoshimoto.co.jp/okinawakagetsu/
▼オンラインチケットよしもと
【HP】https://online-ticket.yoshimoto.co.jp/
※チケットは各公演開演30分後まで購入可能/各公演24時間以内は見逃し視聴も可能
住所:【よしもと沖縄花月】
那覇市前島3-25-5 とまりんアネックスビル2階 (マップはこちら)
電話: 098-943-6244
那覇市出身・在住のフリーライター。学校卒業後OL生活を続けていたが2005年、子どものころから親しんでいた中華芸能関連の記事執筆の依頼を機に、ライターに転身。週刊レキオ編集室勤務などを経て、現在はエンタメ専門ライターを目指し修行中。ライブで見るお笑い・演劇・音楽の楽しさを、多くの人に紹介したい。