沖縄のお笑いトリオ「初恋クロマニヨン」の“省エネライブ”が見逃せない


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沖縄のお笑いコンテスト「新春!Oh笑い O-1グランプリ2017」で優勝し、各メディアやイベントで活躍中のトリオ「初恋クロマニヨン」に直撃インタビュー! 日本一人口の多い村・沖縄県読谷村出身で、中学生のころから一緒に漫才を始めた3人の「今」に迫ります。7月7日・8日に出演する「よしもと沖縄花月in琉球新報ホール 」への意気込みも聞いてみました。

初恋クロマニヨンの(右から)松田 正さん、新本 奨さん、比嘉 憲吾さん=2018年6月、那覇市内

3人のコミュニケーションはライブで!

ー「ライブが面白い」と評判です。見どころは?

松田:僕たちのライブはおしゃべり中心でフランクな省エネライブ(笑)! 僕らは普段一緒にいてしゃべってはいますが、実は心は向き合っていない(笑)。でもトークライブでは、3人でしっかりしゃべる感覚になりますね。

新本:普段は何気ない会話だけですが、ライブになると心を開き、目を見てキチンとしゃべる。舞台でコミュニケーションを取っています(笑)。

比嘉:その通り(笑)。お互いを見ているようで見ていませんからね。お客さまは、プライベートなど素の僕たちを知る機会になると思います。

松田:みなさんに楽しんでもらおう、というのは前提ですよ。人間がナチュラルにしゃべる姿が見られて、読谷出身の僕たちの地元話や幼なじみ的な共有話など、面白いエピソード盛りだくさんのライブ……そんな説明だと、面白くなさそうと思われてしまいますね(笑)。

ー「沖縄」を意識することはありますか?

比嘉:僕らは2年間東京でお笑いをやって帰ってきましたから、沖縄の居心地の良さは実感しています。沖縄を離れて初めていいところだと気付きました。一時的に帰省してすぐ東京に戻るつもりでしたが長居しているので、やっぱり魅力があるんですよね。

松田:おおらかな県民性など、悪く言うとルーズなイメージもあるでしょうが、僕は勝負の場所だと思っています。お笑いだけでなくいろんな分野でレベルが高いと感じるんですよ。「沖縄で一番になりたい!」って真剣に思い続けながらバチバチに向き合っているつもりですが、厳しい現実もあります。実際の受賞回数というより、「あいつらは沖縄一」と思われたいんですよね。「この島で一番になりたい」気持ちで舞台に立つのが、沖縄芸人・初恋クロマニヨンとしての沖縄への思いなのかもしれません。

新本:沖縄で人気に火が付いてスターになるのが理想。でも地位を築いた先輩たちが多く、どうしたら自分たちの存在感を出せるのか考えてしまうこともあるんです。まだ何のポジションも確立していませんし、「読谷出身のお笑い3人組がいる」とうっすら知られている程度だと思うので、もっと有名になりたいです。個人的なことでは、20代までは中部地域しかホームだと思えませんでした。30歳過ぎて中部以外の人とも仲良くできるようになりましたが、以前は関係を遮断していましたね(笑)。

比嘉:僕は読谷、好きです。「読谷村は閉鎖的」って言われることが何故か多くなってきたんですが…「その通り」って答えています(笑)。

松田:「読谷のガラパゴス化」は今研究中みたいですよ(笑)。昔から「文化の村」とうたっているので自分たちで文化を育てる村民意識があり、僕らの年代にも受け継がれている気がしますね。でも接していけば心を開く、いい人間ばかりですよ。僕も地元・読谷への愛がありますよ。

この島で一番になって全国へ!

やっぱり3人とも目を合わせていないような…笑

ーいま力を入れていること、近況を教えてください。

松田:ネタ合わせの毎日です。8月に「お笑いバイアスロン」(QAB 琉球朝日放送主催)という大会がありますし、全国規模の「M-1グランプリ」予選なども始まります。夏場はいつも、賞レースを意識した地道な活動の日々ですね。

新本:ネタ合わせばかりですが、1人の時はYouTubeで昔の沖縄のお笑い番組、「oh!笑いけんさんぴん」や「お笑いポーポー」など見ています。照屋林助さんの「ワタブーショー」も見ましたよ。

比嘉:これからはお笑いに集中する期間です。テレビのレギュラー番組が6月でいったん終わるので、その分お笑いに時間をかけます。沖縄花月にはもちろん連日出演です。ネタ合わせは、ワーワーにぎやかにしていませんよ(笑)。

ー最後にメッセージをお願いします。

比嘉:お笑いで沖縄一になり、その実績を生かしながら何かにつなげていきたいです。全国も目指します。初めての琉球新報ホール(7月7、8日)では「すべらないこと」を念頭に置き、舞台に立ちます!

新本:新報ホールの新しい歴史の始まりを肌で感じる1日が楽しみです。客席のみなさんの表情を見ながら、スケール大きくがんばりたいですね! 7月7日(土)には沖縄花月で「初恋クロマニヨントークライブ〜恋バナ〜新ネタもやるってよ」(17時開演)も開催します。初恋クロマニヨンのネタ、見に来てください。

松田:どんなジャンルでも誰よりも努力している人が結果を出すと思っていますから、県内外の大会で優勝目指して努力します! 目標は、気心知れた仲間とお笑いのテレビ番組を作ること。豪華メンバーがそろう琉球新報ホールでの舞台では、沖縄でがんばっている芸人もいるんだと印象付けられるような時間にします!

◇取材:饒波貴子(フリーライター) 

よしもと×琉球新報
「なはの日」よしもと沖縄花月in琉球新報ホール

7月7、8日の両日、那覇市泉崎の琉球新報新本社ビルに、全国で人気のよしもと芸人が大集結! 8日にはエンターテインメント総合専門学校「沖縄ラフ&ピース専門学校」によるワークショップもあり、参加者は新報ホールに登壇できるほか、2019年の沖縄国際映画祭のレッドカーペットを歩けちゃうかもしれません。1階の公開空地では大道芸人や子どもたちによるステージイベントや、こども記者による模擬記者会見、グッズ販売もありますよ。ふるってご参加くださいね!

(出演者)
◇7月7日(土)①午後1時開演 ②午後4時開演 ※開場は30分前
宮川大助・花子、中川家、笑い飯、品川庄司、ハイキングウオーキング、スリムクラブ、ありんくりん、ピーチキャッスル
◇7月8日(日)①午後1時開演 ②午後4時開演 ※開場は30分前
大木こだまひびき、笑い飯、東京ダイナマイト、友近、和牛、もりやすバンバンビガロ、初恋クロマニヨン、魁バーバリアン

(入場料)前売券4000円、当日券4500円
(チケット販売)チケットよしもと、ファミリーマート(イープラス)、デパートリウボウ、琉球新報本社、中部支社、北部支社

(問い合わせ)電話098-865-5255