空間コンピューターの衝撃 モバプリの知っ得[229]


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Apple社は日本時間6日、ゴーグル型端末である新製品「Apple Vision Pro(アップル・ビジョン・プロ)」を発表しました。発売は来年以降で、価格は日本円でおよそ49万円です。価格が高すぎて目玉が飛び出しそうになりましたが、Apple初の「空間コンピューター」となっており、期待が高まっています。

イラスト・小谷茶(コタニティー)

Vision Proを装着すると、目の前に大きな画面が広がり、仕事の書類を表示したり、映像コンテンツを楽しんだりすることができます。これまで、テレビやパソコンのモニターのサイズを変えたり、枚数を増やしたりすることは簡単にはできませんでした。しかし、「空間コンピューター」であれば簡単に調整して一番使いやすい状態を作ることができます。うまく進化して社会に定着すると、リビングのテレビがなくなり、パソコンもキーボードだけになり、みんながゴーグルをつけて生活をする世界になるかもしれません。

気になるのは価格です。49万円は、高価すぎてほとんどの人が買えないでしょう。また、バッテリーの駆動時間も2時間と短いため、今後は改善が必要でしょう。今のようなスマートフォン(スマホ)が登場して15年がたちました。毎年スマホはわずかに進化していますが、驚きが少なくなっているようにも感じます。そうした中で、このVision Proやそのライバル製品が、スマホのように普及して、世の中を変えるのか注目です。

~ 言葉の解説 ~

空間コンピューター … ゴーグルを装着すると、仮想空間(メタバース)が表示され、ゲームや交流が楽しめる製品を「VRゴーグル」と呼びます。今回発表されたVision Proも、VR機能そのものはありますが、本体に搭載された12個のカメラと五つのセンサーを使い、現実空間とデジタルの世界を自然につなぎ合わせる「空間コンピューター」であるとAppleは説明しています。ゴーグル型の製品はたくさん発売されていますが、形は似ていてもそれぞれ目的が少し違っているところが面白いです。

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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