子の被害防ぐ「面会要求罪」 モバプリの知っ得[235]


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7月13日から一部の法律の仕組みが変わり、「面会要求罪」などの新しい法律が施行されました。面会要求罪とは、わいせつ目的で16歳未満の子どもと仲良くなり、裸の画像を送るよう指示をしたり、会おうと要求したりすると罰せられる法律です。

こうした、わいせつな目的を隠して子どもと仲良くなり、断りにくい状況をつくって誘いだす犯罪を「グルーミング」と呼びます。今回の「面会要求罪」は、まさにグルーミングを処罰する法律です。「知らない人、あやしい人には気をつけましょう」とこれまで教えられてきたと思いますが、グルーミングをする犯罪者は警戒されないように「知っている人」「怪しくない人」となって、子どもの警戒心を解いていきます。

イラスト・小谷茶(コタニティー)

グルーミングは、SNSだけでなく、オンラインゲームがキッカケとなることもあります。たまたま同じチームになった人とゲームの話で仲良くなり、「直接ゲームがうまくなる方法を教えるよ」と誘われて会いに行ってしまうということですね。グルーミング犯は、手なずける子どもを選びます。「自信のない子」「家に居場所がないと感じている子」「学校にストレスや不満を感じている子」を狙って、甘い言葉で誘います。人間、心に余裕がないと冷静な判断ができなくなってしまいます。頭では「危ないかも」と分かっていても、苦しい状況であればそこから抜け出したくて引っかかってしまうでしょう。被害を防ぐためには、スマホやSNSの使い方を学ぶと同時に、周囲の大人たちは子どもが安心して過ごせる環境をつくることが大事です。

~ 言葉の解説 ~

面会要求罪 … 16歳未満の子どもに、わいせつな目的で以下の三つの手段を使って会おうと持ちかけると犯罪になります。

(1) 脅す、うそをつく、甘い言葉で誘う。

(2) 拒まれたのに何度も会うように繰り返し誘う。

(3) 金銭や物を与える約束をする。

 琉球新報が毎週日曜日に発行している小中学生新聞「りゅうPON!」でも同じテーマを子ども向けに書いています。

 親子でりゅうPON!と琉球新報style、2つ合わせて、ネット・スマホとの付き合い方を考えるきっかけになればうれしいです。

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 沖縄を中心に、ライター・講師・ラジオパーソナリティーとして活動中。特定メーカーにとらわれることなく、スマートフォンやデジタルガジェットを愛用する。親しみやすいキャラクターと分かりやすい説明で、幅広い世代へと情報を伝える。

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