夏になると、野菜直売場の棚にはゴーヤーとナーベラーが山盛り。安いので、思わず買い物かご一杯に旬の野菜を買ってしまいます。地元の野菜は産地からの輸送距離が短いので、燃料の消費が少なくてエコなんです。
新鮮なゴーヤーは、チャンプルーはもちろん、タネとワタを取ってうす~くスライスし、ビニール袋に入れてスプーン1杯の島マースをパラッと振り、軽く30秒位ほどシェイク。しんなりしたところでキュ~ッと水気をしぼると、あっさりシャキシャキした浅漬けのできあがり。浅漬けにはナスもおすすめです。水分が抜けて嵩が減るので、一度にたくさんの野菜をたべることができます。
たくさんの野菜を料理すると、野菜くずもいっぱい出ますね。生ごみが腐って、燃えるごみを出す朝は臭くて大変…なんて、経験ありませんか? 我が家では、野菜くずは燃えるごみには入れず、その日のうちにベランダでお手軽な生ごみ堆肥にしています。簡単で、全く臭くありません。手作りの有機肥料でハーブや野菜を育てて食べれば、シンプルな生ごみリサイクルになりますよ。
うちの生ごみ堆肥は、土嚢袋、米ぬか、近所の土で作ります。まず、土のう袋に一掴みの土を入れ、その倍くらいの量の米ぬかをパラパラとふりかけて、良く混ぜます。すると、この米ぬかを餌に、土の中のカビやキノコ(菌類)が増えて、生ごみを分解させるという仕組みです。菌類は湿り気が好きなので、乾いた土の場合は土全体がしっとりするくらいに水を少しだけ加えてよく混ぜます。このまま袋をひねってまるめ、1日放置。これがスタート準備です。なお、この袋をコンクリートに直に置くと、下面に空気が通らず腐るので、レンガや石の上に載せて風通しを良くするのがポイント。酸素が好きな善玉菌類を増やしておきましょう。
次の日の夕方、土の中の菌類は、米ぬかの栄養で大繁殖! 土のかたまりは発酵してホカホカと暖かく、かたまりをほぐせば酸素が入ってさらに発熱します。ここに、台所の野菜くずを投入します。この時野菜くずを細かく刻んで、水気をよくしぼるのがポイント。さらに餌となる米ぬかも一握り振り入れて、全体をよくまぜてから、また袋を丸めます。毎日これのくりかえし。簡単でしょ? ベランダに置いても臭くないし、数日後には野菜の形は殆どわからなくなっています。ただし袋のままでは虫がわくので、網を張った籠をかぶせるなどして、虫が卵を産みつけない工夫をしましょう。夏休みの工作や自由研究として作ってみるのもおすすめです。
生ごみを燃えるごみに出せば、水分が多いので、燃やすための燃料がたくさん必要です。燃えるごみの3割程度は生ごみと言われるんですよ。だから、生ごみを家で処理すれば、ごみの焼却に使う燃料が減り、ごみ処理費用も二酸化炭素の排出量も減って一石二鳥。ぜひ、お試しください。
鹿谷法一(しかたに自然案内)
しかたに・のりかず 琉球大卒、東大大学院修了、博士(農学)。広島生まれ。海に憧れて沖縄に来て、もう30年以上。専門は甲殻類。生物の形と機能の関係に興味がある。趣味は本とパソコンとバイクいじり。植物を育てるのも好き。