琉球新報Style初となる、学生ライターによる連載が始まります。その名も「ロックダウン世代になった就活生のリアル」。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、インターンや採用試験もオンラインへ移行するなど、就職活動も今までと大きく様変わりしています。そんな新しい日々を手探りで進む学生の皆さんのリアルな感情や、葛藤などを体験記として記していきます。
こんにちは。学生ライターの眞榮城茉理です。早くも6月になりました。3月から本格的な選考が始まり、この時期は一区切りついた就活生とこれからが本番だという就活生のどちらもいるのではないでしょうか?私は、あとひと踏ん張りが必要な就活生ですが、今までの就活を通して得たことを今後にも活かし、満足のいく形で就活を終えられるように気合いを入れ直したいと思います。
前回は「私の面接体験記」について記事を書きました。その記事を執筆した時は、志望度が高い2社の選考が進んでいましたが、最終的には2社ともご縁がない形となりました。そのため今回はインパクトが強いタイトルではありますが、私が就活をしていて「うまくいかなかった、失敗したな〜」と思ったことを皆さんにお話しします。また、うまくいかなかったと感じた時の自分の気持ちや切り替え方についても記し、私のように悩む就活生に「1人じゃないよ」ということを伝えることができればいいなと思います。
「最終面接の不合格通知で目の前が真っ暗になった」
4月の終わり頃、志望度が高かった企業から最終面接選考の案内のご連絡を頂きました。その時は「やっとスタート地点に立てるのかもしれない!」と、とてもわくわくした気持ちでいっぱいでした。私は「内定はゴールではなくスタートだ」と思いながら就活をしているので、「ここで結果を残し、次のステップに進みたい」と強く思い、最終面接の準備を進めていました。
最終面接で聞かれそうな質問をリストアップし、志望度が高いということをしっかりとアピールできるように回答をどんどんアップデートしていきました。また、大学のキャリアセンターを利用し、何度も面接練習を重ねました。しかし、自信を持って望んだはずだった最終面接の終了後、私は電車に揺られながらすごく落ち込んでいました。直感的に「落ちてしまった」と感じたからです。結果として、やはり不採用通知を受け取ることになりました。
私はこの最終面接で「失敗した」と思うところが2点ありました。1点目は、「対面面接のイメージが足りず緊張しすぎてしまった」こと。2点目は「言葉に感情を乗せて志望理由を伝えられなかった」ことです。対面面接が初めてだったことからシミュレーションがうまく出来ておらず必要以上に緊張してしまい、緊張から感情を込めて自分のことを話せなかったことが挙げられます。
失敗した2点を振り返ってみると、原因として「対面面接のイメージが足りなかった」ことが大きいと思いました。また「状況を冷静にコントロールできる力がなかった、単に準備不足だった」ということも言えます。今記事を書いていても、あの時の場面がフラッシュバックして反省すべきところがたくさんあると感じていますが、同時に「自分の出せる最大限の力で取り組んだことが必ずしも実を結ばない」という経験もしたことで、就活は一筋縄ではいかないということを強く実感しました。
また、その後受けた1社の2次選考の不合格通知を続けて受け取り、正直その後2週間は気持ちを切り替えることができず、塞ぎ込んでしまいました。「自分は社会に必要とされていないのではないか」「結果を残せない自分には価値がないのかもしれない」と考えたこともありました。結果を残すことを目標に突き進んできたこの数ヶ月の中で一番辛く、少し就活の歩みを止めることになりました。
就活のやり方を見直し、また前を向いて進む
就活の歩みを止めると言いつつ、「自分に合う会社はないか」とわらにもすがる思いで毎日就活サイトを眺めながら会社説明会に申し込んだり、プレエントリーをしていました。しかし、一度挫折を味わった経験から「このままだとモヤモヤしながら再び就活に臨むことになってしまう」と考え、自分の就活の進め方をもう一度見直そうと思いました。
私は幸運にも、経営学者である叔父から定期的にキャリアについての相談に乗ってもらう機会があります。その際に自分が考えていることを聞いてもらい、これから就活に臨む上で改善すべき点を2点指摘してもらいました。
1点目は「自分で適性を決めて、業界を絞りすぎないこと」です。私は、自分のこれまでの経験を踏まえて「ここは適性があるのではないか」と考えた業界しか見ていませんでした。しかし、「適性」というのは企業側が判断することであり、「どうやったらその仕事を全うできるのか」といった視点が足りていませんでした。今の自分が「できること」を仕事にしようとしていたため業界を絞りすぎてしまい、選択の視野が狭くなっていました。
2点目は、「自分をよく見せようとしないこと」です。個人的な話になってしまいますが、私は周りから「おとなしい、落ち着いている」と思われることが多いです。そのため、よくも悪くも冷静なところが出てしまいます。私は自分の性格が、面接の際に元気がないと思われるのではないかと考えた結果、「普段の自分とは違う自分を演じ、変に元気に見せてしまうところ」がありました。しかし叔父からは「嘘ついたら失敗するし、周りより落ち着いているということを逆に見せた方が良い」とアドバイスをもらいました。
面接なので相手にとって気持ちよくコミュニケーションができたと感じられる気遣いや配慮は忘れてはいけません。その気遣いとともに自分らしさを保ちながらのコミュニケーションを心がけることが、本来の自分を見てもらうことに繋がるのだと思いました。
この2つの改善点を指摘してもらったことで、今まで暗くて歩き辛かった道に光が差してきたような気がしました。新聞の株価欄から気になる企業を調べてみるといった方法で受ける業界や職種を広げることも始めてみました。また更なる自己分析も兼ねてノートに自分の価値観やこれまでの経験で感じたことを改めてまとめ、就活軸の見直しも行っています。少しずつですが、前を向いて歩き始めることができました。
今までの努力も認めてあげる
「自分を過小評価しすぎず、今まで積み上げてきた努力をちゃんと認めてあげなきゃいけないよ」これは私の心に一番残っている叔父からの言葉です。私は挫折した経験ですごくネガティブになってしまい、今までの努力が無駄だったのではないかと感じていました。その気持ちも叔父に伝えていた上でこの言葉をもらった時、「自分が懸命にやってきたことに変わりはない」とその過程で学んだことをたくさん思い出し、初めて今までの自分の努力を認められる気がしました。だから私のように悩んでいる就活生には「自分の努力を認めてあげる」ことも大切にしてほしいと思います。この失敗体験を活かしてこれからも懸命に就活に取り組み、いつかその努力が実ることを信じて進んでいきます。私の大好きな言葉の「全てに意味がある」に通じる、そんな気持ちで就活に励みたいと思います。
プロフィール
眞榮城茉理。那覇市出身東京都在住。大学では欧米の歴史や文化を中心に学ぶ。洋楽とアイドルを愛する22歳。22年卒に向けて就活中。読んでくださった方が前向きに将来について考えるきっかけになれるような記事を書けるように大学4年生等身大の私自身の体験や思いなど発信できることを日々模索中。