<金口木舌>「オール沖縄」の空気感とは

 県人口が143万4千人になった。昨年10月の国勢調査速報値である。2010年調査に比べて4万1千人増えた。自治体が一つ増えた勘定だ

 ▼逆に日本の総人口は94万7千人も減った。こちらは一つの県が消えたかのようだ。人口の増減は地域の活力を大きく左右する。3%という全国一の人口増加率は沖縄の活力源であろう
 ▼古い新聞をめくると「百万県民が-」などの表現で喜怒哀楽を伝える記事に出合う。例えば高校野球。沖縄尚学のセンバツ初優勝は130万県民、興南の春夏連覇に140万県民が歓喜した。時代によって人口は異なる
 ▼政治を突き動かす沖縄のうねりも幾万の県民が主人公だ。日本復帰は100万県民の悲願だった。1995年の少女の事件に120万余の県民が怒りの声を上げた。140万県民がオスプレイ配備を拒否した
 ▼見逃してはならないことがある。当然ながら、百万単位でくくられる県民は多様だ。背負う歴史や信条はさまざま。そのような県民が手を携え、時代の荒波を乗り越えた。それが沖縄の歴史であった。何かに束縛されたのではない
 ▼「オール沖縄」を「同調しないといけないような空気感」と批判する自民議員と閣僚のやりとりが国会であった。公約破棄を沖縄の議員に強要した政権党の異様な空気感をお忘れか。せめて沖縄の歴史を見誤らぬよう注文したい。