<南風>理事・副学長という仕事


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 あけましておめでとうございます。元日からスタートして半年間、隔週の金曜日に本欄を担当させていただくことになりました。よろしくお願いします。

 私は1993年10月に母校の東京大学に着任して以来、通常の教育・研究の仕事に加えて、教育学部附属中等教育学校長や教育学部長を務めた後、昨年4月より理事・副学長の仕事をしています。
 本欄では、最近の大学の状況や学生の活動の様子、研究のことなどをお伝えし、特にこれから大学進学を目指す若い方に、大学、中でも東大など県外の大学を身近に感じてもらい、視野と進学選択の幅を広げてもらえればと考えています。
 今回は話の前提として、「理事・副学長」というナカグロでつなげた妙な職名について簡単に説明します。
 東大や琉大などの国立大学は、2004年のいわゆる法人化により、各国立大学法人が設置する大学という位置づけになりました。
 理事は、国立大学法人法に定められた法人の役員です。一方、副学長の方は、学校教育法に定めのある、法人が設置する大学における職務です。つまり、理事は法人の役員業務、副学長は大学の校務を行う仕事です。そして、理事が副学長を兼ねると理事・副学長ということになります。
 理事室は東大の象徴的な建物である安田講堂の中にあります。私の在学中は東大紛争の後、閉鎖されたままになっており、中に入ることができませんでした。1969年1月の安田講堂での学生と機動隊との攻防は私が中学3年のときで、玉城村(当時)親慶原の親戚宅でテレビ中継を見たのを記憶しています。いまその建物で仕事をしているのが不思議な気持ちです。
 理事・副学長の仕事で経験してきたことも、次回以降、紹介していきたいと思います。お付き合いのほど、よろしくお願いします。
(南風原朝和、東京大学理事・副学長)