本島中部からの取水は回避する方針に PFAS不安を考慮、県企業局の渇水対策は海水淡水化のフル稼働


本島中部からの取水は回避する方針に PFAS不安を考慮、県企業局の渇水対策は海水淡水化のフル稼働 北谷町の海水淡水化センターの海水淡水化施設(資料写真)
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 県内29市町村に水を供給する県企業局は11日、少雨傾向が続きダム貯水率が低下していることを受け、渇水対策本部会議を開いた。断水の回避を最優先に、13日から海水淡水化センターを最大運転して対応し、有機フッ素化合物(PFAS)対策のために取水を停止している本島中部からの取水再開は、可能な限り回避する方針を決定した。

 沖縄本島では昨年9月以降少雨傾向が続き、県内の11ダムの貯水率は11日時点で60・6%と平年に比べ19・6ポイント少ない。企業局では13日にも60%を下回るとみている。

 現在海水淡水化センターでは装置1台を稼働しているが、12日から7台の稼働に増やし、13日以降は最大運転で1日当たり3万7千立方メートルを淡水化する。海水淡水化施設を3月まで最大運転すると、約7億円の費用が必要となる計算だが、電気代の高騰を受けて2023年度の動力費を上積みしていたためまかなえる見込みという。

 対策本部会議に先立って4日に開かれた幹事会では、貯水率が50%を下回る場合を目安に中部水源からの取水再開の準備を進めるとしていたが、対策本部会議ではPFASに対して県民の不安が大きいことなどを考慮し、数値の目標を設定せず可能な限り取水しないこととした。

(沖田有吾)