【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関(IARC)は、有機フッ素化合物「PFAS」の代表的な物質で有害とされるPFOAとPFOSの発がん性に対する評価を引き上げたと発表した。PFOAを4段階中最も高い「発がん性がある」グループに、PFOSを新たに下から2番目の「可能性がある」グループにそれぞれ分類した。
PFASは日本各地の河川などでも検出されており、環境省が有害性の本格的な調査研究に乗り出す方針だ。IARCは動物実験や遺伝、免疫などの研究に基づき、人での発がん性に十分な証拠があるかどうかを判断し、4段階で評価している。
IARCの1日の発表によると、PFOAはこれまで「可能性がある」だったのが、2段階引き上げられ最も高いグループとなった。同じ分類にはアスベスト(石綿)やたばこの煙などが含まれる。PFOSは最も低い「分類不能」のグループだった。
PFOAやPFOSは食品の包装や化粧品、防水の衣服などさまざまな製品から検出されている。空港や軍の施設の泡消火剤にも使用されており、消火作業に当たった人への影響が懸念される。現在は多くの国で使用が禁止されているという。