有料

少雨続きでダム貯水率が63%に低下 5割切るなら本島中部の取水を再開 PFAS対策で停止中も県企業局が方針


少雨続きでダム貯水率が63%に低下 5割切るなら本島中部の取水を再開 PFAS対策で停止中も県企業局が方針 本島全域に水を送っている福地ダム(資料写真)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 少雨が続く影響で、県内11のダムの貯水率が4日時点で63・1%と低くなり、平年値を18ポイント下回っている。県内29市町村に水を供給する県企業局は4日、渇水対策の幹事会を開き、断水の回避を最優先に海水淡水化センターの最大運転などで対応し、それでも貯水率が低下した場合には現在有機フッ素化合物(PFAS)対策のために取水を停止している本島中部からの取水再開に向けて準備を進める方針を確認した。11日の県企業局渇水対策本部会議で最終的に決定する。

 沖縄本島の2023年の年間合計降水量は平年の約9割だったが、昨年9月以降は平年の半分以下で推移した。このまま少雨傾向が続けば、11ダムの貯水率は1月中旬にも60%を下回り、2月中に50%を切る可能性がある。

 県企業局では、当面はPFASの影響を受けない海水淡水化センターの運転で対応し、1日当たり5千立方メートルの淡水化を継続する。ダム貯水率が60%以下となった場合は、同3万7千立方メートルの最大運転を実施する方針。

 さらに貯水率が低下し、50%を下回る場合を目安に、中部水源からの取水再開の準備を進める。その場合も、PFAS濃度の高い比謝川からの取水は可能な限り避け、嘉手納井戸群や天願川、長田川からの取水を先行する。北谷浄水場では高機能活性炭によってPFASを吸着しているため、取水を再開した場合でも国の暫定目標値(PFOSとPFOA合計で1リットル当たり50ナノグラム)を大きく下回る。

 国や県などで構成する沖縄渇水対策協議会は、同協議会幹事会を経て16日に総会を開く予定。

(沖田有吾)