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国連でPFAS汚染、米兵の性暴力を報告 沖縄から参加、基地問題訴え


国連でPFAS汚染、米兵の性暴力を報告 沖縄から参加、基地問題訴え 仲村芳信さん(中央の画面)らが沖縄の基地問題を訴えた国連人権理事会の会合=8日、スイス・ジュネーブ(提供)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 8~12日までスイス・ジュネーブで開かれていた国連の会合で、沖縄からの参加者が相次いでスピーチした。

 県内の米軍基地から派生する有機フッ素化合物(PFAS)汚染などの環境問題や米兵の性的暴行事件による女性の人権侵害などを国際社会に訴えた。

 「宜野湾ちゅら水会」のまつだかなこさん=活動名=は9日の先住民族の権利に関する専門家機構(EMRIP)の会合で声明を発表した。米軍基地建設による生物多様性の喪失やPFAS汚染、騒音被害により「沖縄が(社会的、民族的な少数派に不平等をもたらす)環境レイシズムの犠牲となり、女性や子どもなど社会的文化的に不利な立場の人々に被害のしわ寄せが起こっている」と指摘。米軍が環境汚染の責任をとることを日本政府が強く働き掛けるよう求めた。

 在ジュネーブ日本政府代表の本清耕造大使と面談した際には、昨年12月に発生した米兵少女誘拐暴行にも触れ「95年の事件以降も問題が解決していないことに県民の怒りがある」と直訴した。

 また、仲村芳信沖縄大名誉教授も8日、「Peace For Okinawa Coalition」の枠でスピーチした。沖縄への基地集中によって、米兵による性暴力が頻発したり、飲み水も汚染されたりしている状況に触れ「私たちは助けが必要だ」と訴えた。

 琉球民族独立総合研究学会(ACSILs)のメンバーらも出席しスピーチした。琉球諸語を学ぶことは、日本語や他の外国語を学ぶことと同様であると日本政府に認識されるべきだと強調した。

(慶田城七瀬、南彰)