名護市辺野古の新基地建設に反対する市民らは、海上保安官に何度も拘束されても、海上作業を進めようとする作業船に体を張って挑んだ。新基地建設の本体工事が着手された29日。静かだった海が再び喧噪(けんそう)に包まれた。
米軍キャンプ・シュワブゲート前と同様、海上でも早朝から市民らがカヌーなどで抗議行動を展開した。海底ボーリング(掘削)調査のため浮具(フロート)や油防止膜(オイルフェンス)を設置しようとする作業船の行く手を阻んだり、オイルフェンスにしがみついたり、作業が進まないように必死に抵抗。作業員とロープを引っ張り合ってバランスを崩し、両者が共に海に落ちるなど激しいやり取りもあった。反対する市民1人に対し、十数人の海上保安官が取り囲んで動きを封じる場面もあった。
カヌーチーム「辺野古ぶるー」の池間優さん(23)=名護市、大学生=は「作業をやめて」と作業員に何度も抗議したが、そのたびに海上保安官に拘束された。拘束に「怖い」と本音をのぞかせながらも、「一分一秒でも作業を遅らせたい」と前を向いた。
ヘリ基地反対協の仲本興真事務局長(67)=名護市=は抗議船上から拡声器を使って「ここは県民の海だ。戦争につながる一切の行為に力を貸すな」と海保に訴え、「最後まで闘う」と揺るぎない決意を示した。
英文へ→Henoko canoe protestors hustle against the construction again