警視庁から派遣された100人以上の機動隊員が名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前に投入された4日、新基地建設に反対する市民らは「警視庁は帰れ」と声を合わせた。警視庁の機動隊が前面に出てくることはなかったが、市民と県警の機動隊がもみ合いになり逮捕者1人、けが人1人が出た。
4日に名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で、新基地建設に反対する60代の男性が警察官の左膝を蹴ったとして公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された。本紙や市民の撮影した動画では、男性が市民と機動隊の間に立ち機動隊に背を向けた際、後ろから機動隊員の手が男性の腰に伸びた後、男性がバランスを崩す様子が確認された。男性は直後に機動隊員の方を向いて、右足を上げるような動作をした。
男性が逮捕されたのは午前9時ごろ、市民が国道329号の中央から機動隊に促され歩道に上がった後だった。男性は拡声器を手に、機動隊員に抗議する市民と機動隊員の双方に話し掛けようとしていた。周辺にいた人によると、男性は興奮する市民にも下がるように伝えていたという。
市民の撮影した映像では、機動隊員の左手が男性の腰周辺に伸び、男性が歩道の縁石からバランスを崩してつんのめる様子が映っている。機動隊員は左手で真下を示していることから車道に出ないように警告したとみられる。
男性が振り返り、足を上げた後、機動隊員数人が男性に突進。市民と隊員が入り乱れて混乱した。
男性と接見した三宅俊司弁護士は、映像を見て「原因を誰がつくったのかはとても大事だ。警察は意図的に挑発し、混乱をつくり出そうとしている。市民側にはこれまで以上に、挑発に乗らない冷静さが求められる」と話した。
県警は取材に対し「詳細はこれから調べてみなければ分からない」と答えた。