スズメバチに15カ所刺された 「遭遇しても身をかがめて」男性搬送 沖縄・今帰仁


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山中利一さんの頭を刺したスズメバチ=4日、今帰仁村謝名

 【今帰仁】今帰仁村謝名の「夢有民(むうみん)牧場」で2日、敷地内の道を重機で整地していたオーナーの山中利一さん(71)がコガタスズメバチに後頭部など15カ所ほど刺される被害に遭った。山中さんは搬送先の病院で治療を受け、無事帰宅した。山中さんから連絡を受けた今帰仁村役場が4日、敷地内にあった30~40センチほどの巣を三つ撤去した。村は「作業をする前にできるだけ蜂の巣がないかなど確認してほしい」と注意を呼び掛けている。

 山中さんによると2日午後、重機で傾斜になっている道を整えていたところ、突然スズメバチの大群に襲われた。「土から出てきたように見えたので、土の中に巣を作る外来種のオオスズメバチかと思った」と振り返った。

軒下にできた約30センチのスズメバチの巣を撤去する今帰仁村職員=4日、今帰仁村謝名

 土中ではなく木の枝の下にあった巣を確認した村職員は「かなり大きい。除去の際に一度毒が顔にかかったことがあるが、ゴーグルを着用すれば大丈夫だ」と手際よく除去作業の準備にとりかかった。雨具の上から防除ネットをかぶり、高所噴射用専用ノズルで殺虫剤を巣穴に噴射。農機具も使って巣を完全に撤去した。その巣の他にも山中さんの自宅の軒下にあった二つの蜂の巣も手際よく駆除、安全を確保した。

 山中さんは「やんばるに来て40年以上になるがこれほど刺されたのは初めてだ。刺激しなければ襲われることはないので怖いと思ったことはないが、さすがにトラウマになった」と話した。今帰仁村環境衛生係の担当者は「スズメバチが巣から出てきてもその場で身をかがめじっとしていれば刺されることはほとんどない。誤って巣を壊したり、手で振り払うような大きな動作をすると攻撃対象になりやすいので、事前に周囲に巣がないか確認するなど注意してほしい」と呼び掛けた。
 (松堂秀樹)


 

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