ジュゴン「絶滅」→「減少」に修正 辺野古有識者会議委員 英誌論文で


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国指定天然記念物で絶滅危惧種のジュゴン=2008年3月、名護市嘉陽沖(ヘリから撮影)

 沖縄県名護市辺野古の米軍基地建設で環境対策を助言する防衛省有識者会議の一部の委員が、沖縄のジュゴンの生息数を巡り英科学誌に投稿した論文を修正したことが15日、分かった。投稿段階では「2019年に絶滅した」などの記述があったが、修正版は「絶滅」との文言に代えて「減少」や「姿を見せなくなった」といった表現が使われている部分がある。論文は受理、掲載された。

 投稿された論文は環境団体から内容に疑問が出ていた。科学論文の審査状況などを集めた専門サイトによると、投稿後、科学誌側から大幅な修正を求められた。

 論文は沖縄のジュゴンの数が19世紀以降、どのように減ったかを分析する内容。著者5人のうち3人は、防衛省沖縄防衛局が設置し、環境保全策の科学的助言をする環境監視等委員会の委員を務める。残る2人のうち1人は元委員。

(共同通信)