米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で沖縄防衛局は22日、辺野古の沖合にクレーン付き作業船1隻を現場海域に搬入した。防衛局は埋め立て本体工事の海上作業を始める前に、近く海中の濁りが広がるのを防ぐ汚濁防止膜を設置する予定で、これを固定するために合計238個の大型コンクリートブロックを海中に投下する。作業船はこれらのブロックを積んでいる。一方、県側はこのブロックの大きさが昨年8月に県に対する岩礁破砕許可申請で防衛局が説明したものを大きく上回るとして、実際の投下前に県との事前協議に臨むよう求めており、防衛局がこのままブロックを投下すれば県側の反発は必至だ。
目撃者によると、22日午前7時半ごろに数十トンクラスの大型コンクリートブロックを積載した大型クレーン船が大浦湾の臨時制限水域に入った。同日夕まで、投入は確認されていない。
防衛局の工事仕様書によると、汚濁防止膜の固定には合計238個のブロックを使う。既に海底ボーリング(掘削)作業に伴い、周辺海域に設置したブイ(浮具)やフロート(浮標灯)の固定のために37個のブロックを投下したが、これを大きく上回る数になる。
防衛局は昨年8月に県に出した岩礁破砕許可申請で、汚濁防止膜を固定するブロックの設置を報告。申請では重量は15トンと記載していたが、許可を得た後に防衛局が作成した工事仕様書では投下する238個のうち8割(188個)が申請重量を大きく上回る。
そのため県はブロックの投下でサンゴ礁が破壊される懸念があるとして、重量の大幅変更は辺野古埋め立て承認で防衛局に求めた本体工事に関する「事前協議」の対象となり、投下には県の同意が必要だと主張。県側は連休明けにもブロックに関する情報提供や協議中の作業中断などを防衛局に求めるとみられる。