沖縄の戦後「同質ではない」 歴史学者4人、菅氏発言に抗議声明


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄と日本の戦後史を研究してきた鹿野政直、戸邉秀明、冨山一郎、森宣雄の4氏が11月24日付で戦後沖縄・歴史認識アピール「沖縄と日本の戦後史をめぐる菅義偉官房長官の発言に抗議し、公正な歴史認識をともにつくることを呼び掛ける声明」を発表し、菅氏に発言の撤回を求めた。

 抗議の対象となったのは、9月の沖縄県と政府の集中協議が決裂した後の発言。翁長雄志知事の「戦後の強制接収が普天間問題の原点」という主張に対し、菅氏は「賛同できない。日本全国、悲惨な中で皆さんが大変ご苦労されて今日の豊かで平和で自由な国を築き上げてきた」と述べた。
 声明は「主観的な思い込みを頼りに自己流に解釈した無責任なもの」と批判。「日本と沖縄の戦後史は同列に扱える性質のものではない」と指摘。その上で、集中協議の場での菅氏の「私は戦後生まれなので分からない」という発言についても、「自分が継承する政府の行為を『戦後生まれ』といった個人的理由で否認する、驚くほどの無責任さが露呈している」と弾劾した。
 声明はオンライン署名サービス「Change.org」(https://goo.gl/HUO5iM)に掲載している。