シンポジウム「『基地の島』沖縄が問う-『辺野古移設問題』を考える-」(沖縄国際大学沖縄法政研究所主催、琉球新報社共催)が12日午後、宜野湾市の沖国大で開かれた。金城馨(関西沖縄文庫主宰)、高橋哲哉(東京大大学院教授)、阿波連正一(静岡大法科大学院教授)の3氏が、市民運動と哲学、法律の分野からそれぞれ報告した。約370人が詰め掛けた。沖縄の基地は「本土」から押し付けられており、県外で引き取るべきだとの認識が確認された。
金城氏は、大阪に住む沖縄人という立場から「沖縄人である自分たちが沖縄に基地を押し付けている問題」として議論や葛藤を重ね、さまざまな取り組みをしてきた経緯を語った。
高橋氏は、提唱している「基地引き取り」について「本土では8、9割の圧倒的多数の民意が安保を支持し、米軍基地を沖縄に押し付けている」と指摘。「本土の日本人の責任論が第一」と主張し「基地引き取りが安保解消を目指す道筋としても不可欠だ」と訴えた。
阿波連氏は、普天間飛行場が返還されれば3868億円の経済効果があると政府が主張していることを逆手に取り「基地に沖縄が依存しているのではない。沖縄が基地に寄生されている。本来生まれるべき生産が吸い取られているのだ」と指摘した。
3人の報告に対し、コメンテーターの高嶺朝一(ジャーナリスト、琉球新報前社長)、与儀武秀(沖縄タイムス記者)、稲福日出夫(沖国大沖縄法政研究所長)の3氏が質問し、持論を述べた。同研究所の石川朋子研究助手がコーディネーターを務めた。