辺野古掘削調査、最終段階に 台船、沿岸へ移動


この記事を書いた人 田盛 良一
移動したスパット台船。作業員の姿が確認できる=12日午後3時ごろ、名護市辺野古

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に伴う新基地建設で沖縄防衛局は12日、大浦湾の長島付近にあったスパット台船1基を米軍キャンプ・シュワブ沿岸に移動させた。移動先で海底掘削(ボーリング)調査を実施すれば24カ所目となり最終調査地点となる。長島付近の別のスパット台船1基と掘削機を積んだ大型クレーン船1隻で掘削調査が確認された。

 海底掘削調査が最終段階に入ったことに、抗議船船長の牧志治さんは「国は裁判の成り行きを見て工事を判断すべきだ。県や名護市を通さず、当たり前のように進めようとすることが納得いかない」と話した。
 シュワブのゲート前では市民らによる資材搬入阻止行動が続けられたが、機動隊が市民を排除し資材を積んだダンプカー5台を含む計18台が基地内に入った。抗議中、男性1人が機動隊に一時拘束されたほか、別の男性1人が体調不良を訴えて病院に搬送された。
 ゲート前には東京大学大学院総合文化研究科の高橋哲哉教授や稲嶺進名護市長、米退役軍人らの平和団体が訪れ、市民を激励した。高橋教授は、新基地阻止行動に共感を示し「日米安保を支持する本土が米軍基地を引き取って民意を変えなければ、(沖縄の)基地問題は解決しない」と訴えた。