【東京】島尻安伊子沖縄担当相は15日午前の記者会見で、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画で、政府と対立している翁長雄志知事の姿勢が来年度の沖縄関係予算の確保に影響するか問われ「予算確保に全く影響がないというものではない」と、知事の政治姿勢が予算に影響する可能性を示唆した。
沖縄振興を所管する担当相が県と政府の政治的対立と予算を絡めて発言するのは異例で、波紋を広げそうだ。島尻氏の発言には、新基地建設の阻止を掲げる翁長知事や経済界を含めた幅広い支持層をけん制する狙いもあるとみられる。
島尻氏は会見で、基地問題と沖縄振興はリンクしないという立場は堅持するとの考えを示した一方、辺野古の新基地建設計画をめぐり、県と政府が法廷闘争に入っていることなどの「空気感」が影響するとの認識を示した。
新基地問題で政府と対立する翁長知事就任直後の15年度予算は14年度から162億円減額された。内閣府は来年度の沖縄関係予算について概算要求額3429億円の満額確保を目指しているが、財務省との折衝は難航している。島尻氏は「かなり厳しい状況だ」と自身の認識を強調した上で「沖縄振興に必要な額は確保していきたい」と満額確保を目指す姿勢を見せた。
島尻氏が知事の政治姿勢が予算に影響する可能性を示唆したことについて、菅義偉官房長官は「そこはないと思う」と関連性を否定した。「振興予算は県、地元から必要に応じて要請があるものを国が適切に判断していく。その要求があるかないかは大きな観点になるのではないか」とも述べた。