普天間「反対運動で移設遅れ」 米公聴会で海兵隊トップ指摘


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努

 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】米海兵隊トップのネラー海兵隊総司令官は2日の上院歳出委員会の公聴会で証言し、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画について「遅れている」と述べ、その理由として「反対運動や沖縄県の支持が得られていない」ことを挙げた。米太平洋軍のハリス司令官に続き、ネラー氏も移設計画が遅れているとの認識を示した。

移設計画については、ハリス氏が2月23日の上院軍事委員会で、従来計画より2年遅れの「2025年」になるとの見通しを示していた。海兵隊の配備計画をまとめた最新の「海兵隊航空計画」では、21会計年度(20年10月~21年9月)に辺野古の代替施設で垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの機体整備用格納庫を建設し、24年度には滑走路や駐機場などを整備し、25年9月までの会計年度で攻撃型ヘリコプターなどの格納庫を建設する工程が示されている。一方、日本政府はハリス氏の発言を受け、米側に抗議するなど、統合計画にある22年までに移設計画が完了することは可能だとの認識を崩していない。
 またネラー氏は在沖海兵隊のグアム移転について「(移設計画とは)切り離して進めることになっている」と述べ、日米合意に基づいて進めるとの立場を示した。その上で「(移設計画が)遅れているが、計画を推進していくというハリス氏の評価とは一致している」と述べた。
 公聴会では、ハワイ選出のシャーツ議員(民主党)が「移設計画は6~9カ月遅れている。グアム移転のための施設整備も少なくとも2年遅れている」と指摘し、米軍側に現状認識について問いただした。