逮捕の法的根拠問う 国連人権理が内容公開 辺野古抗議


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 国連人権理事会は2月29日、開会した本会議に合わせ、国連特別報告者が昨年6月に日本政府に対して行った沖縄の基地問題に関しての人権侵害が懸念される状況について説明を求める通報の内容を公開した。名護市辺野古の新基地建設問題に関連し、平和運動センターの山城博治議長ら4件の逮捕、拘束事案について詳細な状況説明や法的根拠を求める内容。「沖縄『建白書』を実現し未来を拓く島ぐるみ会議」の国連部会が16日、発表した。

 島ぐるみ会議国連部会長の島袋純琉大教授は「国連特別報告者による通報は日本政府への圧力となり、じわじわと効果が出るものと考える。沖縄の問題に国際社会の関心を引き寄せる大きな一歩だと考え、今後も国連への情報提供を継続したい」と意義を語った。
 通報では4件の事案について逮捕、拘束の法的根拠や国際的な人権基準に矛盾していないかや、平和的な集会結社の自由の権利が尊重されるために日本政府が講じている手段などを質問している。
 通報は国連特別報告者が有する権限の一つ。第三者からの申し立てに基づき、懸念される人権侵害について当該国の政府に正式な情報提供を求める。今回の通報は、島ぐるみ会議国連部会が4件の事案について特別報告者に報告したことがきっかけとなった。日本政府は通報に対し昨年7月、「県警、海上保安庁は辺野古基地建設の抗議者に対して生命や身体、公共の秩序などを守る義務を全うするため法律に従って行動しており、国際法上の義務に反していない」と回答している。