沖縄のNGOなどが起こした「米ジュゴン訴訟」で米政府が2007年6月29日に提出した証拠書類に、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設工事の工程が記載され、「基地内(米軍キャンプ・シュワブ)の空いている敷地」に、埋め立てに先立ち隊舎や映画館などを整備していく計画が明記されていることが分かった。政府は14日、辺野古代執行訴訟の和解を受けて開いた県との「作業部会」で、和解に伴い中断を確認した「埋め立て工事」とは「関係がない」として、隊舎や娯楽施設などシュワブ陸上部の工事を再開したいと伝達しており、関係性が問われそうだ。
県側は辺野古移設計画と関係があれば、陸上部でも工事再開は「認めない」としている。沖縄防衛局は担当者が15日に県庁を訪ね、再開を予定する工事の種類を説明した際に、工事が辺野古移設に関連するかは「明確な区分はできない」とも述べていた。
米政府がジュゴン訴訟で提出した文書によると、辺野古移設工事の工程は、第1~第5段階で示されている。
第1段階は隊舎、通信整備所、偵察船舶工場、船舶修理場、映画館、ボウリング場、クラブ、郵便局、管理ビル、車両整備場などを建設する予定が示されている。
第2段階以降は道路、橋、売店、教会、プール、消防署、病院、レストランなどが整備され、最終段階では給油場、格納庫、進入灯などの軍事施設を整えていく計画。
防衛局は15日、シュワブで再開する陸上工事で隊舎、生コン製造施設、余暇施設、講堂などを整備したいと県に説明した。県側は情報が足りず、普天間飛行場の辺野古移設とは関係がないことを明確に示すよう、詳細に説明することを求めている。
19日の県議会米軍基地関係特別委員会で、嘉陽宗儀氏(共産)が同文書の存在を指摘し、県側に見解をただした。謝花氏は「ぜひ(資料を)拝見し、研究したい」と応じた。