シュワブ内の埋葬地で初の遺骨調査 6月、目視確認できず


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 名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ内にある大浦崎収容所埋葬地で6月24日、県と国が遺骨収集に関連する立ち入り調査をしていたことが29日までに分かった。遺骨収集に関連してシュワブ内の立ち入り調査をするのは今回が初めて。目視調査では、遺骨などは確認できなかった。県平和援護・男女参画課の担当者は「今後も確度の高い情報が集まれば、調査を実施したい」と話している。

 調査は、県の厚労省への申請に基づいたもの。戦没者遺骨収集情報センターが埋葬地の場所について聞き取りを行った80代女性の証言と、名護市教育委員会が以前に調査した埋葬地の場所が近いことから、立ち入り調査による確認が必要だと判断した。

 調査には、厚労省と防衛省、県、遺骨収集情報センターの職員らと共に証言者の女性も同行した。しかし、女性の証言場所には既に建造物があり、確認が難しい状態だったという。厚労省の担当者は「まずは目視をして埋葬地と証言された場所を確認した。確固たる情報がないと掘って調べることは難しいが、情報があれば(目視の)調査をしたい」と話した。

 沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松さんは調査が行われたことを評価した上で、「目視だけで調査を終わらせるようなことはせず、試掘調査までつなげてほしい」と求めた。さらに、「(埋葬地の)情報や証言が大事だ。ぜひ情報を寄せてほしい」と呼び掛けた。