本島北部で進む米軍基地建設の問題点を考える「伊江島・高江・辺野古のトライアングル ヤンバル全体を危険地帯にしないために!緊急シンポジウム」(基地の県内移設に反対する県民会議主催)が26日夜、那覇市の県青年会館ホールで開かれた。250人が聴講。パネルディスカッションでは高江のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)工事や辺野古新基地建設、伊江島の着陸帯拡張に関して、違法工事や環境破壊など、さまざまな角度から問題点が指摘された。
生物学者の屋冨祖昌子氏は、高江のヘリパッド建設について「破壊された亜熱帯の自然を戻す方法は確立されていない」と説明。「今必要なことは、高江の工事を一分一秒でも止めることだ。これを真っ先にやらなくてはならない」と訴えた。
沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏は、県が米軍キャンプ・シュワブの兵舎建設再開を受け入れたことに一定の理解を示した上で「辺野古の新基地建設では、波消しブロックが5万6千個必要となり、それを造るためのコンクリートプラントが建設される。兵舎建設とは別のもので、これは絶対に造らせない」と強調した。
建築家の真喜志好一氏は、兵舎建設の再開に懸念を示し「辺野古ダム周辺にも十数個の兵舎を建てる計画がある。全体として基地機能は認めないところまで追い込むことが必要だ」と指摘した。
ジャーナリストの屋良朝博氏は「米国ワシントンのシンクタンクと連携し、海兵隊を沖縄に置かなくてもアジア太平洋地域に展開できるという、新たな環境整備を提示する交渉を始めるべきだ」と話した。
会場にいた伊江村議の名嘉實氏も急きょ登壇し、伊江島の着陸帯の拡張工事による影響などを報告した。
英文へ→Naha symposium addresses dangers facing Yambaru from U.S. military in Takae, Henoko, Ie-jima