辺野古の上空 兵士つり下げ 米軍ヘリ訓練、市民反発


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 【辺野古問題取材班】20日午後、米軍キャンプ・シュワブを離陸した米軍ヘリが兵士をつり下げて旋回し、国道329号や辺野古漁港など民間地の上空を飛ぶ様子が確認された。訓練は3回実施され、1回目は兵士5人がつり下げられていた。辺野古の集落の上空も一部飛行したとみられる。民間地に危険が及ぶことも懸念されるつり下げ訓練が辺野古の集落上空でも実施されたことに、市民から反発の声が上がった。

 辺野古在住の小西徳光さん(76)は、つり下げ訓練に関しては冷静に受け止めつつ「安部での事故があったばかり。(集落上空は)飛ばないでほしい。(辺野古移設に伴う飛行場が)できてからが問題だ。(訓練は)昼夜関係なくなるのではないか」と不安げな表情を見せた。辺野古漁港横のテントで座り込みをしているカメラマンの山本英夫さん(65)は「人をつり下げて集落の上空を飛んでいることに驚いた。憤りを覚える。長く座り込んでいるが、辺野古集落上空を飛んでいるのは初めて見た」と語った。

 シュワブのゲート前で抗議中、つり下げ訓練が国道329号の上空を通過したのを目撃した県統一連の瀬長和男事務局長は「交通量の多い国道の上を通れば民間人への被害が生じかねない」と指摘し「山側にも周回するのに十分なスペースがある。なぜわざわざ危険なことをするのか」と述べた。

米軍ヘリでつり下げ訓練をする兵士ら=20日午後0時56分、名護市辺野古