翁長雄志知事は7日夕、沖縄県庁で会見し、名護市辺野古の新基地建設で沖縄防衛局が県の岩礁破砕許可を受けずに工事を進めているとして、国を相手に工事の差し止め訴訟を起こす方針を発表する。20日開会予定の県議会6月定例会に関連議案を提出し、7月14日予定の最終本会議で可決されれば、速やかに提訴する。併せて工事を停止させるための仮処分も申し立てる。辺野古新基地建設問題は再び法廷に場を移す。
5日の調整会議で正式決定した。
県は6日、県議会の与党会派の代表者らに対し、提訴の方針などを説明した。県議会6月定例会に議案を提出することなどを伝えた。県の謝花喜一郎知事公室長からは「慎重に専門家集団とやり取りした」と話があったという。
県は事業者の沖縄防衛局に対し、岩礁破砕許可がことし3月末に期限切れを迎えたことから、同許可の更新を申請するよう求めてきた。一方、防衛局は現場海域の「漁業権が消滅した」として、県の岩礁破砕許可を得る必要はなくなったと主張している。
県は防衛局に対して岩礁破砕許可の申請を求める行政指導を行ってきたが、6月1日に防衛局側が県に対して重ねて申請は必要ないとの認識を示す回答を提出していた。これらの状況を踏まえ、実際に岩礁破砕が確認されていなくても「予防的措置」として提訴に踏み切る方針を決めた。