<金口木舌>先人たちの高い美意識

 「テーゲーじゃない。琉球の美意識」。県立博物館・美術館で開催中の特別展「手わざ・琉球王国の文化」のパンフレットの一節だ。「テーゲー」はうちなーぐちで「大概」といった意味。「いい加減に推測してものを言うこと」は「テーゲームヌイー」。戒めに使われる場合もある

▼特別展は琉球王国時代の美術工芸品の模造復元品約230点を展示している。香炉は均整の取れた形、山水の描写が巧みだ。紅型は図案を1枚の型紙に突き彫りし図案の間を1本の絹糸でつなぐ。高度な手作業だ
▼沖縄戦で多くの美術工芸品が失われた。数年前から研究者や職人が調査・研究を重ね、王国時代の造形を忠実に復元する事業に取り組む。よみがえった美術工芸品は精緻(せいち)な技が際立つ。テーゲーではない。美意識の高さに感嘆した
▼火災で焼失した首里城の正殿は「最大の琉球漆器」と表現される。往時の首里城は美術工芸品の宝庫。組踊など伝統芸能文化の殿堂でもあった
▼首里城公園で15日、組踊上演300周年記念・首里城復興祈念公演「琉球舞踊と組踊」が催された。人間国宝や若手実演家らが出演し首里城再建と組踊の継承への思いを新たにした
▼立方(たちかた)の一人は「芸能の原点の地で公演ができたことは意義深い」と話した。首里城再建への道のりは豊かな芸術や文化を再発見する機会になるだろう。新たな文化の創出にも期待を抱かせる。



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