4月上旬、大宜味村喜如嘉でオクラレルカが開花期を迎えた。紫色の花が田んぼ一面に広がる、風光明媚(めいび)な風景が紙面を彩った
▼本紙がオクラレルカの写真を9日付1面で紹介すると、大宜味村の担当記者が役場職員から苦言を呈された。「あの記事を見た人たちがたくさん来ている」
▼自然豊かなやんばるに引かれ、県内外から多くの人が北部を訪れる。節度を守った訪問は地元に歓迎されていたが、限られた医療資源の中で北部は新型コロナウイルスの感染拡大を恐れている。北部市町村会と北部地区医師会が23日、北部への入域自粛を呼び掛けた
▼「世界的流行を抑えるために外出規制などの措置を2022年まで継続する必要がある」。米ハーバード大の研究チームはワクチンの開発や救急医療態勢の拡充などで短縮は可能としつつ、長期戦になるとの見方を示す
▼安倍晋三首相は2月26日に「国民一丸で対策をさらに進める。この1、2週間が感染拡大防止に極めて重要だ」と訴えた。あれから2カ月が経過したが、感染は拡大傾向にある
▼東村の當山全伸村長は「経済的にはかなり厳しいが、村民の命や健康あってこそだ。終息したら、ぜひ歓迎したい」と話す。東村のツツジや大宜味村のオクラレルカ、国頭村のイルカンダ。たくさんの人がまたやんばるの自然に触れることを北部の市町村は願っている。