5~6月は企業の株主総会が集中する時期だ。企業にとっての一大イベントである決算発表が相次ぐ。県内でも、昨年まで好調だった景況が、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、一転して過去にない落ち込みを見せている
▼新聞の見出しは前年多く見られた「増収増益」が影を潜め、「減収減益」や「純損失(赤字)」が目立つようになった。数字の向こうに、経営者の苦悶(くもん)が垣間見える
▼「3密」を避けることが推奨される新型コロナ後の社会。適応するには新たな投資が必要だ。企業はオンライン市場での販売促進に力を注ぐことになる。社員のテレワーク拡充のための端末の確保やインターネット環境の整備など、新たな設備投資も見込まれる
▼仕事を失ったり、賃金が減らされたりした個人がまず直面するのは住宅ローンや家賃の支払いだ。家賃債務保証の全保連によると、新型コロナウイルス感染症の影響による家賃支払いの遅れは3月1日から5月26日までに全国で約1500件発生しているが、まだ底は見えていない
▼コロナ禍で未曾有の危機にもがく企業や県民を支え、県経済回復の道筋を示せるのか。政治家の構想力と実行力が問われる局面だ
▼選挙戦を勝ち抜いた県議選の当選者にとって、これからが正念場。課題が山積する中、沖縄の新時代を切り開くリーダーたちの活躍を県民は注視し期待している。