<金口木舌>米軍感染拡大、あいえなー


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 思ったことをつい口にしてしまう癖がある。先日もそうだった。嘉手納基地でのパラシュート降下訓練を報じる本紙の写真を見て「この兵士、よもやコロナに感染してはいないだろうな」とやってしまった

▼そばで聞いていた同僚は眉をひそめた。でも、基地内の様子が伝わらなければ不安が膨らむばかりだ。そんなことを思っていたら「在沖米軍60人余感染」のニュースが飛び込んできた。ここまで急増するとは
▼基地外での大規模イベントで感染が広がったらしい。その映像が当方のスマホに回ってきた。参加者が肩を組んで踊っている。3密どころでない。映像を見た別の同僚は数秒黙って一言、「あいえなー」
▼7月4日の独立記念日を前に羽目を外し、集団感染を引き起こした。米軍はコロナ対策の不徹底を問われよう。当然、感染経路を公にすべきである。民間のホテルを借り上げる前にやるべきことがあったはずだ
▼今回の件で「恐れていたことが起きた」との声を聞く。そう、予想されていたのだ。それなのに米軍と県、国の間で協議の場がなかったことには驚く。金網の向こうの医療関係者も困っていよう。情報共有を急ぐべし
▼ところで外務省沖縄事務所と沖縄防衛局は何をしているのだろう。基地の提供義務だけ果たしながらコロナ対策に無頓着では困る。だてに看板を掲げているわけではあるまいに。