<金口木舌>ゆかりを力に


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 10年前、元横綱千代の富士の九重親方を取材した。入門を控えた現・千代ノ皇を迎えるための来県で、卒業式の日に中部農林高を訪れた。小さな体で綱を張った親方の前で「親方のような相撲を」と意気込んだ千代ノ皇だった

▼前頭から幕下まで落ち、七月場所で9場所ぶりに十両復帰。勝ち越し続け、今場所で筆頭に上がった。沖縄と鹿児島、二つの故郷を持つ。出身の与論町の皆さんの期待もひとしおだろう
▼プロ野球ではドラフト指名選手へ球団あいさつがあった。東農大北海道オホーツクのタイシンガーブランドン大河内野手は西武からあいさつを受け「山川穂高選手とプレーできるように頑張る」と胸を膨らませる
▼伊波中、石川高から北の大地へ進学。寒さに苦労したというが俊足強肩で北海道学生リーグで首位打者、ベストナインのタイトルを連続獲得するスラッガーとなった
▼西武は本拠・埼玉だが、北海道新聞社に聞くと「準道産子」として注目していくという。西武ファンには西鉄時代からのひいき筋もいるから、こちらは沖縄に北海道、さらに九州・福岡からも期待がかかる
▼亜大の内間拓馬投手は楽天、宜野座高の大城真乃投手は育成でソフトバンクから指名された。厳しい世界である。力になるのは地元からの応援だろう。加えて各地にファンを増やし、長く愛される選手になってもらいたい。