<金口木舌>選択的夫婦別姓


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 免許証に旧姓が併記できるようになったと知り昨年12月、免許更新時に戸籍謄本を持参した。しかし当てが外れた。理由は旧姓が併記された住民票かマイナンバーカードが必要とのこと

▼事前に必要書類を確認していなかったこちらに落ち度はある。旧姓を示す戸籍があれば十分だと思い込んでいた。免許証に旧姓を記載する前に、まず住民票の変更が必要になるとは、二度手間でしかない
▼結婚で姓を変えた側は銀行、免許証、クレジットカード、パスポートなど煩雑な手続きが発生する。結婚当時、長年親しんできた名字が変わる寂しさもあって複雑な思いだった
▼夫婦が望めば旧姓を名乗ることを認める選択的夫婦別姓について先月、市民団体などがネットで調査した。回答者自身が同姓、別姓のいずれを希望するかにかかわらず7割が理解を示した
▼鎌倉幕府をつくった源頼朝の妻は北条政子。徳川時代は農民、町民は名字はなかった。1876(明治9)年、妻は結婚しても旧姓使用とされたが、98年から夫婦同姓へ。わずか120年余の歴史
▼旧姓併記した住民票を持参し、警察署に出向けば免許証裏面に旧姓が記載できるという。夫婦別姓が認められれば、片方だけが役所と警察署をはしごせずに済む。菅義偉首相は過去に選択的夫婦別姓に理解を示す発言をしている。機は熟しつつあるのではないか。