<金口木舌>山芋づくりはおじーのロマン、おばーの不満


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 こんなどでかい山芋を、どのように調理するのか気になっていた。年末年始にかけて県内各地で開かれる山芋スーブ(勝負)だ。大きい物は一つ30キロを軽く超える。山芋は料理したことがある人は分かると思うが、かなり手強い

▼形がでこぼこで皮はむきにくく、土を洗うと手にぬめりがつき切りづらい。粘りけが強すぎて、おろしてもおろしても、おろし器にくっついたまま。おいしいのだが、手間暇かけたわりには、メインの料理になりづらく、達成感が乏しい
▼「山芋づくりはおじーのロマン、おばーの不満」と話すのは、読谷村の商工会女性部の皆さん。山芋スーブの裏には、ロマンだけではない、芋を持て余す女性の姿があった
▼台所に立たない男性を揶揄(やゆ)しつつも山芋料理コンテストまで実施する。大会ではレシピを配布し、特産品化も目指す。原点は「有効活用したい」という熱意だ
▼食べ物が無駄に捨てられる「食品ロス」を減らすため一昨年、食品ロス削減法が制定された。日本の食品ロスは年間612万トン(2017年度)で、世界の飢餓に苦しむ人に向けた食料援助量の1・6倍に相当するという
▼最近は物を潔く捨ててシンプルに暮らす「断捨離」がもてはやされがちだが、食べ物は生産者に敬意を払い、きっちり消費することが大事。冷蔵庫で眠る山芋に、今日こそは手を伸ばしてみようと思う。