警察担当をしていた頃、取材先の飲み会に参加することに注力した。普段は取っつきにくい警察官も一緒にお酒を飲めば会話が弾む。プライベートの話題で盛り上がることもあれば、日中は聞けない突っ込んだ質問もできた
▼自社の飲み会では参加して後悔することもあった。先輩の自慢話を延々と聞かされ、記事の書き方を注意されるのは毎度のこと。酔った勢いで仕事を押し付けられたこともある
▼日本生命保険の調査によると、職場の飲み会が不要と考える人は約6割。上司や先輩がいる酒席は気を使い、仕事の延長と感じてしまうようだ。必要と考える約4割は、互いの距離を縮められることなどにメリットを感じているという
▼お酒は適量なら食欲増進やストレス緩和などの効果があり、酒席は楽しい場所になるはずだ。社員同士が打ち解ければ会社の雰囲気も良くなり、生産性の向上も期待できる。不要が多数を占める結果に飲み会の在り方を考えさせられる
▼コロナ禍で酒席に参加する機会は減った。リモートワークの推奨で職場環境は変化する。人との距離が以前より広がった今、いかにして交流を深めるかは重要なテーマだ
▼県内の感染状況は落ち着き、さまざまな制限が緩和される。忘年会の開催を検討する企業もあるだろう。社員が必要と感じられる場所にするために、知恵を絞る必要がありそうだ。