<金口木舌>黄金の3割


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 「黄金の3割」という理論がある。少数派が構成人員の30%を占めると、組織の意思決定に影響力を持つようになるという。米ハーバード大のロザベス・カンター教授が提唱する

▼那覇市議会は7月の選挙で女性の比率が32.5%となった。県内市町村議会で最多。党派を超え政策提言が進めば、これまで届かなかった少数派の意見が施策に反映され得るだろう
▼市町村面で連載中の「壁をこえて」は、従来の選挙活動とは違う方法で当選した糸満市議が登場する。費用を最小限に抑えたり、SNSでの発信に力を入れたり、組織票・資金が十分でない人も当選を果たした
▼女性でも挑戦できるのではと感じさせる新しい風が吹いている。だが糸満市議会の女性は21人中2人。市当局の部長級も男性が大半だ。糸満に限らず社会の縮図たるべき議会こそ、多様性が必要だ
▼立候補に必要なのは、周りの理解と支え、本人のやる気だと連載の当選者は教えてくれる。来年は統一地方選挙。那覇市に次ぐ「黄金の3割」となる議会の誕生に期待している。