<金口木舌>模合って必要?


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 若い後輩と模合の話をしていて驚いた。「結局、お金を毎月出し合っても、手元に回って来る金額は一緒ですよね。それよりも投資したほうが得じゃないですか」

▼懇親が目的なら、お金抜きに飲むだけで十分という言い分も分かる。世代の違いなのか、模合自体に疑問を感じたことはなかった当方には新鮮だった
▼かつて模合は互いにお金を融通し合い、まとまったお金が必要な時に頼れる自助グループだった。資金を調達する方法が以前より多様化し、最近の模合の目的は金銭的な必要性よりも、懇親の場に変化してきている
▼本紙が5年に一度実施している県民意識調査で、模合の参加について尋ねている。過去4回の調査で常に4割台をキープしていたが、2021年の調査で一気に3割を割り込み、28.6%に減少。若年層ほど参加率は低く、20代は12%だった
▼「模合より投資」と思うか、定期的に仲間と会い、つながりを求めるか。模合でなくてもつながれる場を築くのか。模合に対する意識の変化は、復帰50年の今の沖縄を現している。