<金口木舌>獅子舞へのまなざし


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 道じゅねーで地域に響く太鼓の音もいいが、旧盆や旧暦8月の十五夜に同じく県内各地で行われてきたのが獅子舞。無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を願って舞う「神獅子」は地域で大切に保存されてきた

▼30年もの歳月をかけて島々を回り、神獅子を撮影し続けてきた宜野湾市の呉屋善昭さん(65)が、集大成となる写真集を発刊した。県内158地域・198体全ての神獅子を再現したミニチュアも製作した
▼神獅子は限られた機会にお披露目される。「よそ者がしゃしゃり出て見られるものではない」と語る呉屋さんは、地域や保存会と信頼関係を築き、撮影の協力を得てきた
▼だがコロナ禍で多くの獅子舞も中止が続く。無病息災などを祈る獅子舞が感染症で封じられる皮肉な状況に、何かできないかと考え、ミニチュアの製作と写真集の発刊を思い付いた
▼感染拡大で今年もエイサーの道じゅねーを直前で取りやめた地域もある。断腸の思いだろう。だがこんな時期でも文化継承のために何かできるかもしれない。呉屋さんの地道な取り組みに学ばせてもらった。