「私たちは実行する、実行する、実行する」。英国の新首相となったリズ・トラス氏は、保守党の党首選後の演説で高らかに宣言した
▼タイムズ紙は今回の党首選を「現代英国史上、最も多様性に富んだ党首選」と表現した。正式に立候補した8人のうち、女性が4人と半数を占めた
▼人種的なマイノリティーも多かった。トラス氏と決選投票で争ったスナク氏はインド系だ。前財務相のザハウィ氏はイラク出身でフセイン政権から逃れた家族とともに幼少期に英国に移った
▼候補者の属性や背景から政策を単純に導いてしまえば、少数者の政治的な自由をかえって狭めかねない。実際、各候補者は、白人と男性の多い同党支持者が重視する英国の伝統的な価値観を守る姿勢を示した。それでも、門が開かれていること自体に意義がある
▼日本、沖縄はどうか。閣僚20人のうち女性は2人にとどまる。6日に告示された県内19町村の統一地方選で、女性候補者は12.7%だった。一足飛びには変わらないだろうが、変革に向けて「実行」が求められている。