<金口木舌>「最強の地産地消」に学ぶ


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 冷蔵庫を開けて食材を整理すると、消費期限を過ぎた豆腐を見つけた。もっと早く食べるべきだったと反省した

▼食品の生産や製造、販売、消費の各段階で廃棄される食品ロスをどう減らすか。県が昨年3月に策定した「食品ロス削減推進計画」によると、県内の食品ロスは年間約6.1万トン。県民1人当たりで1日にお茶わん1杯分の食品を無駄にしている
▼身近なことから改善に取り組んでいるのは、中部農林高校定時制農業科の生徒5人だ。給食の生ごみで堆肥を作る。その堆肥で野菜を育て、給食の食材とする。目指すは「最強の地産地消」
▼昨年春には、レタスやホウレンソウを使ったサラダを給食に提供できた。生徒らは「学校だけでなく、家庭のごみなども堆肥化し活用できたらいいなと感じた」とも語る
▼世界人口は増える一方、深刻な飢えや栄養不足で苦しむ人々も多い。日本は、カロリーベースで食料の6割超を海外に依存している。わが家の冷蔵庫を食品ロスの発生源にはすまい。無駄が出ないように買い物も工夫しよう。