中学生の娘は最近部活の話ばかり。チームは先日、中体連で強豪相手に善戦したが敗退した。悔しくもあるが、ほほえましいのは青春を楽しんでいるから。同じような光景を見る親も多いだろう
▼先日、宜野湾市立博物館が「慰霊の日」に向けて開催している企画展で逆の光景を見た。爆弾を背負って米軍に突撃しようとしたものの銃撃され、無残に息絶えた少年兵の写真だ
▼博物館の平敷兼哉館長は、中学生への平和学習でもこの写真を紹介する。同年代の子が青春を奪われ無念の死を遂げた写真は戦争のむごさを伝える
▼訓練を強制された学徒にさえも年が満たず、「根こそぎ動員」で爆弾を背負い、ただ敵軍に向かって走らされる少年。どんな思いで走ったのだろうか。無謀な戦争はここ沖縄で起きた
▼沖縄を再び軍事要塞(ようさい)化する動きが加速している。戦争をどう抑止するか、安全保障は確かに一筋縄ではいかない。だが、いたずらに緊張を高め、行き着いた先の地獄をウチナーンチュは見た。全ての施政者に、この島々を戦場にしないと決意してほしい。