<金口木舌>もっと会えれば仕事もはかどる


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 織り姫と彦星が天の川を越えて年に一度会う。子どもの頃は七夕の言い伝えはロマンチックな話だと思っていたが、そうでもなかった

▼神の「天帝」の娘である織り姫と牛飼いの彦星が結婚を機に遊びほうけたので、怒った天帝が引き離した。2人は悲しみで仕事も手につかないので、真面目に働くならば年に一度だけ会わせる条件になった
▼国立天文台によると、織り姫がいる星「ベガ」と彦星がいる星「アルタイル」は、光の速さで移動しても14年半かかる距離にある。2人が1年に一度会うのは実際は無理だという
▼仮に2人が光の14倍以上の速度で動けると想像してみよう。相当な身体能力であり、生かす方法はあろう。しかし、年に一度会える条件で、2人が懸命に働き続けるのは酷というもの
▼神の怒りはごもっともだが、お許しを願ってワークライフバランスを取り入れたい。働き方改革が叫ばれる昨今。よく働き、プライベートも充実する社会がいい。「織り姫と彦星がいい仕事をし、もっと会えますように」。今年の短冊にはそう書こう。