<金口木舌>ゴルフ場利用税


この記事を書いた人 Avatar photo 宮城 菜那

 広がる秋空、海に向かって打ち放つゴルフは気持ちがいい。米国勤務中に少したしなんだが、米国では日本よりももっと身近なスポーツという印象が強い

▼政府・与党の税制改正論議が始まり、ゴルフ場利用税の扱いで意見が割れている。遠藤利明五輪担当相が「大衆スポーツから税を取るのは違う」と見直しを訴えると、高市早苗総務相は安定財源確保で維持を主張する。昨年ももめた揚げ句、廃止を見送った
▼利用税は利用者が払い、税収の7割は市町村に交付される。かつて娯楽施設利用税としてパチンコにも課せられていたが、消費税導入でゴルフだけが残った。ゴルフ業界が訴える「二重課税」との指摘ももっともだ
▼交付金は県内市町村の場合、数百万円から1億円弱ほど。全国800以上の地方自治体からなる「ゴルフ場利用税堅持のための全国市町村連盟」は「ゴルフ場特有の行政需要」があると存続を国に要請している。使途も併せて見極めたい
▼来年のリオ五輪で112年ぶりにゴルフが競技種目に復活した。文部科学省も来年度の税制改正要望事項に利用税の廃止を掲げる。生涯スポーツ推進の観点から、国民のゴルフへの積極参加を促すために見直しが必要と主張する
▼一般にゴルフは金のかかる「ぜいたく」なイメージが付きまとい、企業接待の印象も根強い。利用税の議論で敷居が低くなればいい。