<金口木舌>祝日の意義


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 あすから大型連休が始まる。ことしは比較的休日の並びが良く、間で2日休めば最大10連休になる。旅行などを計画している人も多いだろう

▼ただ祝日にはそれぞれ意味があることにも留意したい。法律によると、例えばあす「昭和の日」は「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日
▼海外にはこんな祝日もある。教師に感謝する「教師の日」(ウズベキスタンなど多数)、女性のみ半日休暇の「国際婦女節」(中国)、「善意の日」(南アフリカ共和国)、「観光促進用祝日」(アルゼンチン)。日本も参考にしたい
▼日本では国民の祝日を法律でこう定義する。「自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日」
▼しかしいま、どうしても祝う気持ちになれない人は多いだろう。熊本地震のことだ。多くの犠牲者を出し、家屋、道路などの被害だけでなく、観光への打撃は九州全体に及ぶ
▼休日ではないが、毎年9月1日は「防災の日」だ。ことしはそれを待たず、この連休で地震や津波への備えは大丈夫か、いま一度、身辺を点検する時間をつくりたい。被災地に思いをはせ、できる支援も考えたい。「よりよき社会、より豊かな生活」を築くために。