<金口木舌>最近うれし泣きしてますか


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 うれし泣きや大喜び、最近してますか。大人になるとそんな機会はめったにない。照れや気取りも邪魔をする。この1週間、県高校総体を幾つもの喜びが彩った

▼ソフトテニス名護女子の友利璃南・金城紬女ペアは初優勝に「よかった!」「やった!」と叫び、声をからして応援した部員や保護者を前に「ありがとうございました」と号泣した。見事な泣きっぷりに周囲は「こっちもうれしいさ」ともらい泣き
▼競泳女子自由形100メートル、50メートルで県新・県高校新・大会新記録を塗り替えた覇者の真栄城蒼(沖尚)と準優勝の藤愛海(首里)の両選手は1年から切磋琢磨(せっさたくま)し続け、記録更新を繰り返した。互いがいたから「頑張れた」とプールサイドで涙した
▼陸上男子棒高跳び、県総体ではめったに出ない4メートル90の大跳躍で優勝した西波照間匠選手(中部商)は、2番手選手だった中学時代に見いだしてくれた大城正治監督に真っ赤な顔で感謝した。「恩返しがしたかった」
▼もちろんその近くには敗れた選手が1人2人、悔しさに目を腫らして泣いている。そんな姿を何度か垣間見た。うれし泣きや大喜び同様にすがすがしく、うらやましくもあった
▼県総体はきょうのサッカー男女決勝を残すのみ。敗者の涙を連れて九州や全国に進む選手の健闘に期待しよう。「次こそは」と自分自身に挑戦する敗れた選手の熱い夏もこれからだ。