<金口木舌>ポケモンよりジューミー


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 スマートフォン向けのゲーム「ポケモンGO」が社会現象になっている。子どもから大人まで、スマホを片手に公園や公共施設で立ち止まり、架空の生き物「ポケモン」を捕獲する光景を、県内でも見掛ける

▼トラブルも相次ぐが、夏休み中の子どもたちには世の中の役に立つ“探し物ゲーム”をお勧めしたい。休み前に学校で用紙が配布された「生きものいっせい調査」だ。県内265小学校の4~6年生が、家や学校の周りにいる生き物8種を探して報告する
▼昨年の第1回調査では学者も驚く結果が出た。「ジューミー」や「アンダチュー」と呼ばれるアオカナヘビは本島中南部で激減していると思われていたが、小学生の調査で多くの生息域が見つかった。琉球大学の戸田守准教授は「学術的に有益な情報」と評価した
▼今年はタイワンカブトやスズメなどに加え、リュウキュウマツやアメリカハマグルマの植物も対象にした。地域でのうちなーぐちの呼び名も併せて調べる
▼主催は県自然保護課。生物多様性が豊かな沖縄の自然を子どもたちに知ってもらう狙いがある。大人も写真コンテストや生息情報報告でネット参加可能だ。詳しくは「ジューミーさがし」で検索できる
▼架空の世界で遊ぶのもいいけれど、リアルな生き物からはもっと多くのことを学べる。安全に気を付けながら、本物の冒険をしよう。