<金口木舌>ニューオーリンズの沖縄女性たち


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 米国で活躍する那覇市出身の俳優、高良結香さんから、米ルイジアナ州ニューオーリンズの女性たちを紹介したいと提案があった。それが本紙連載「ニューオーリンズの沖縄女性たち」(月曜日付海外通信員面)になった

▼高良さんの紹介で80代から40代の6人に取材に応じていただき、これまで4人が登場。米国経験の長い那覇在住ジャーナリスト、高橋哲朗さんが電話で取材した
▼3年前にニューオーリンズに住み始めた高良さんが、街に1軒しかないジャパニーズマーケットで出会った県出身者から県人の集まりに招かれた。温かく歓迎され、女性たちの人生と郷土愛に感動した
▼東海岸、西海岸に比べるとアジア人は少なく、ウチナーンチュはほとんどいない。「言葉も国も違う所でいろんなことを乗り越えて来た」女性たちの思いを沖縄に伝えたいと考えた
▼復帰前に渡米した人は3人。米軍関係者との結婚がきっかけだ。沖縄での生活の厳しさも背景にあった。連載では「沖縄に希望を持てなかった」などと語った。取材した高橋さんは「運命を受け入れ、柔軟に生きてきたたくましさを感じた」と言う
▼さまざまなきっかけで渡米した県人が、各地で故郷に思いを寄せながら暮らしている。「世界のウチナーンチュ大会」に来れない人の方が多いだろう。そんな人たちの声にも耳を傾けたい。