<金口木舌>魅力を掘り起こす


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 映画「ローマの休日」で有名な彫刻「真実の口」が宜野座村にもある。といっても2000年沖縄サミットでイタリアの当時の首相を招聘(しょうへい)したことを記念して造ったレプリカだ

▼01年、宜野座村とイタリアのペシャ市が姉妹市村を締結した際、訪問団に同行し取材した。残念ながら02年を最後にペシャ市訪問はないというが、今もイタリアの音楽家が定期的に公演するなど関係は続いている
▼20日、琉球新報移動編集局「宜野座ウイーク」の一環でフォーラムが開かれた。中学生、高校生、村商工会青年部など若い世代が「未来の宜野座村」像を発表し、村の魅力に豊かな自然や農作物などを挙げた
▼十数年前、担当時によく取材した「イタリア」「阪神タイガース」「IT」「タラソ」などのキーワードが挙げられなかったのは意外だった。だが、若者がより潜在的に村が持つ良さを魅力に掲げたことは頼もしさを感じた
▼基調講演した宜野座村むらづくりアドバイザーの島田勝也さんは「宜野座村ITオペレーションパーク」や「かりゆしカンナタラソラグーナ」などが他地域にはない施設と指摘。その上で、さらに価値を見いだす重要性を強調した
▼フォーラムを通して、発表者と来場者は自分が住む地域の魅力を再発見、再確認できたのではないか。足元を掘り起こす作業は、地域の発展につながり、夢が広がる。